佇まいまで、
シンプルに。

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若い頃の自分に会ったような気がした

打合せのため、久しぶりに天満橋へ行くと、昔、設計した建物の前を通りかかりました。

良くメンテナンスされており、当時と変わらない姿を懐かしく思いしばらく眺めておりました。

29歳の時に勤務先の名古屋支店から大阪本店に異動になり、最初に担当したオフィスビルです。

初めての高層ビルに戸惑いましたが、先輩を何度もつかまえて教えを請い、

参考にできるディテールはないかとはないかと何度もページをめくりながら、懸命に図面を描きました。

インプットの時間が長いので、昼間だけでは全く時間が足りません。

出勤するとあっという間に夕方になり、いつも終電近くまで仕事をしていました。

それでも不思議と疲れは感じませんでした。(家族には迷惑をかけたと思いますが…)

工事中も「こんなことも知らないのか」と愕然とし、周りに迷惑もかけながら、何とか完成に漕ぎつけた思い出の作品です。

 

気になって、事務所に帰って勤めていた頃の資料を探してみると、少しですが残っていました。

2件目なので少し余裕をもてた、前出のオフィスビルの斜め向かいに建つオフィスビル。

 

「時間と金は気にするな」と言われ取り組んだ住宅。住宅の面白さを知った作品。

 

無謀にも挑戦させてもらった、福島見本市会館公開コンペ応募案。

 

昔の作品に会うことは、稚拙な自分に出会うようで気恥ずかしさのようなものもあったので、あえて見ることもなく、すっかり忘れてしまっていました。

しかし改めて見ると、記憶に残っている以上によく頑張っていたのではないかと思えます。

 

また、そういった経験ができたのも、当時の環境、人との出会い、私の場合は当時の上司の力添えがあったのは間違いありません。

ありがちな組織の圧力もあまり感じることなく設計に没頭することができ、自力では決して登ることができない高みへ引き上げてもらいました。

 

その後、独立してから、いろいろな寄り道をし、挫折も味わいましたが、

もっとやれたのではと考え、過去を過小評価するのではなく、自分なりに積み重ねてきた経験を信じ、

今、この刹那を勇気をもって生きていきたいと思います。